レッドビーシュリンプを飼育している方なら一度は「ポツポツ死」に遭遇したことがあるのではないでしょうか?
毎日のようにポツポツと1匹…また1匹とエビが☆になる光景は見ていて非常に辛いものがあります。中にはこのポツポツ死が続いた結果、エビ飼育をやめてしまう方もおられます。
ポツポツの原因を特定することは困難です。しかし、可能な限り原因を洗い出し、一つ一つ対処することで改善つなげられるケースも多々あります。
当記事ではエビ飼育初心者の悩み…ポツポツ死の原因と対策について徹底的に解説していきます。
エビ水槽の立ち上げがまだの方は別記事「コレだけでOK!失敗しないレッドビーシュリンプ水槽の立ち上げ方」をご覧ください。 レッドビーシュリンプの飼育を開始しようと思いネットを調べてみると…水槽の大きさ、ソイルや濾過フィルターの組み合わせ、水草の選択など組み合わせが無数にあります。 一般に、レッドビーシュリンプの飼育が難し ...
コレだけでOK!失敗しないレッドビーシュリンプ水槽の立ち上げ方
レッドビーシュリンプのポツポツ死とは?
ポツポツ死とはある日突然エビが☆になり、数日から1週間おきにエビがポツポツと死ぬ現象を指します。
ポツポツ死が発生する状況
最も多いパターンは、エビ自体に既に元気がなく、物陰に隠れているケースです。見た目からもエビにダメージが入っているな…ということがわかります。
その他には、元気にエビ自体はツマツマしているものの、ある日突然ひっくり返って☆になるというケースも存在します。
稚エビはツマツマしているのに…親エビはポツポツと☆になるパターンが後者のケースです。
一般的に稚エビのほうが環境変化に強い傾向があります。稚エビの場合、多少PHやTDSの異なる水槽に移動させても問題なく適応する場合が多いのですが、親エビは環境に適応出来ずダメージを負い弱ったりポツポツ死につながるケースが多々見られます。
ポツポツ死の判断方法
筆者の場合は、生後1年経過していない若い個体が一ヶ月のうちに1匹☆になった段階で可能性を疑い、2匹☆になった段階で水槽内が異常事態であると判断します。
このような状況でも寿命や偶然と楽観視する方もいますが、調子の良い水槽でエビを飼育している限り、若個体は基本的に☆になりません。ましてや2匹☆になるのは水槽内(またはエビの血統)に異常がある場合がほとんどです。
ポツポツ死に遭遇した時「きっと大丈夫」と自分を説得したくなります。しかし、かわいいエビちゃんのためにも出来る限り客観的に状況を捉え、早期対処が必須と考えます。
メモ
ポツポツ死以外には、抱卵の舞でオスに追われて⭐︎になるケースなどがあります。よくオスが多い水槽で起こると言われています。
ポツポツ死の原因
エビにダメージが入った場合、その場で☆になることはほどんどありません。ダメージを受けた後、1週間〜4週間ほどで徐々に弱り☆になります。
動物でも重い病気になったその日に死ぬことはありませんよね。エビも同じで、徐々にダメージが蓄積し☆になります。
そのため、ポツポツ死の原因をはエビが☆になったその日ではなく、数週間前から環境がどうだったか?を考える必要があります。
ポツポツ死の原因は以下の4つの視点で考えていきましょう。
ポイント
- エビ自体の問題
- ソイルの問題
- 飼育水の問題
- 立ち上げ期間の問題
エビの血統や寿命、ソイルの種類や量、飼育水の調整方法、添加剤の種類、立ち上げからの期間が短い場合などの原因が考えられます。
殺虫剤や温度上昇についてはポツポツではなく、一気に全滅に向かいますので、本記事では省略しております。
これらについて順番に原因と対策を解説していきます。
ポツポツ死の原因① エビ自体の問題
レッドビーシュリンプ自体に問題があるケースがあります。具体的には以下の2つのポイントです。
ポイント
- エビの寿命
- エビの血統
エビの寿命によるポツポツ死
レッドビーシュリンプの寿命は1〜2年程度です。個体差がありますが、抱卵の多いメス個体がやや短めの寿命になります。
同世代のエビが寿命によるポツポツ死と☆になりますので、対策はありません。寿命を全うしてくれたことに感謝しましょう。
寿命と判断するポイント
寿命の近づいたエビは殻の表面がややかさついてきます。また色も全体的にくすみ、赤茶っぽくなったり、薄くなったりしてきます。
個体差にもよりますが1年半ほどの個体はサイズも非常に大きくなり3センチ弱になります。
寿命の判断については、エビの寿命(目安)と実際に生きた期間を比べて判断してください。
血統の問題と対策
購入したばかりのエビがポツポツと☆になる場合は、もしかしたらエビ自体に問題があるかもしれません。
他血統のエビは問題なく飼育できているのに、購入したエビだけが☆になる場合は血統に問題がある可能性があります。
もしくは、販売元の飼育状況が悪く、もともとエビにダメージが入っていた可能性も考えられます。
エビの血統問題
きれいなエビを作ろうとして、極端に少ない個体数で親近交配を繰り返すことにより、エビ血統自体が弱くなっているケースがあります。
エビ飼育者の間では、これを「血の詰まり」と呼びます。
「優性遺伝子Aと劣性遺伝子aをもつ♂エビ」と「同じ遺伝子をもつ♀エビ」が交配すると以下の4パターンの子が生まれてきます。
優性遺伝子は1つあるだけで遺伝子の形質が表に現れます。一方、劣性遺伝子は2つ揃わなければ形質が表に現れません。
通常きれいなエビを作出し固定化するプロセスにおいて、劣性遺伝子の発現が重要となります。
例えば、モスラ柄の個体は劣性遺伝子が多く発現した結果、白の面積が大きくなっています。
※バンド柄とモスラ柄を混ぜて繁殖を続けると、上の図にある割合(優性3:劣勢1)で徐々にバンド柄の個体ばかりになります。
血の詰まりで問題となるのはこの「劣性遺伝子」です。
劣性遺伝子の中には「きれいな表現」だけでなく、「催奇形性」や「致死遺伝」などの生命の維持に支障をきたすものが多く存在します。
通常、自然界では不特定多数のエビが交配することで、劣勢遺伝子が発現する可能性が少ない状態で維持されます。また、生命に支障をきたす劣性遺伝子が発現した場合はその血統は自然界の中で淘汰されます。
しかし、人間によるブリード下においては、選別により似たような遺伝子を持つ個体に徐々に偏っていきます。その結果生命の維持に支障をきたす劣性遺伝子が発現する可能性が高まります。
以下の写真を見比べて頂いたら、一目瞭然かもしれません。
血統管理が徹底されているエビは、額角と呼ばれる目の前方のツノのようなものがしっかりと見られ、エビ本来の伸びやかなスタイルです。一方血が詰まっている個体は右写真の様に額角がほとんどなく全体的に寸詰まりのような見た目です。
この見た目だから100%弱いということではないですが、血統管理の状況はエビの見た目にもしっかりを現れるとご認識ください。
血の詰まりを避けるためには?
- 出来るだけ多くの個体で累代繁殖をする
- 特徴の異なる複数系統のエビを別々に累代繁殖し、定期的に子をかけ合わせる
- 親と子を交配させない
- 体格の小さい個体や成長の遅い個体を繁殖に使わない
エビの血統問題に対する対策
血の詰まりを起こさないようにきちんと累代管理をされているショップやブリーダーの方から購入することが最大の対策となります。
ショップについては店で累代繁殖して販売しているところもあれば、ブリーダーから仕入れているところもあります。
ブリーダーの方々についてはTwitterで飼育繁殖についての考え方や実際にブリードしているエビの情報を発信していますので、興味のある方はTwitterを覗いてみてはいかがでしょうか。
筆者が過去に利用したことのあるおすすめの購入先
など。
他には様々な優良店が全国各地にあります。
安価に購入するならヤフオクという手もありますが、出品者には注意が必要です。
TwitterやInstagram、ブログなどでエビの飼育に対する考え方や出品中のエビの様子を公開している人からの購入が良いかと思います。中には画像とは全く異なる個体を送ってきたり、とても小さい稚エビや弱った個体を送ってくる場合もあるようです。
ヤフオクの評価は完璧に当てになるわけではありません。お互いに報復評価を恐れて多少気になる点があっても良い評価をつけているケースが多々あります。
ヤフオクで購入する際に避けたほうがよい出品者を見極めるポイントを下記に上げています。
ここに注意
- エビの画像が1枚しかない出品
- 「画像の水槽からランダムで掬います」の文言
- 1円スタートで同じ画像の出品が複数
これらが全て揃った出品からの購入は避けたほうが無難です。
ランダムの表記を使用しているブリーダーの方も中にはおられます。気になるようでしたら、ネットでブリーダー名を検索しSNSやブログでの情報発信がないかを調べて見ましょう。
ポツポツ死の原因②ソイルの問題
エビ水槽を立ち上げる際に使用するソイルの選択によってもポツポツ死が起こる可能性があります。
ソイルの選択と繁殖の成功については諸説ありますが、ここでは筆者の体験と筆者がお世話になっているショップのお話をもとに記載させていただきます。
筆者の場合、過去を振り返ってみるとポツポツ死に遭遇した全てのケースにおいて吸着系ソイルを使用していました。
逆に栄養系ソイル(特にアマゾニア)を使用した水槽ではポツポツ死が発生していません。
吸着系ソイルの使用によるポツポツ死
吸着系ソイルを使用した場合、生体を飼育していて発生する有害な物質をソイルの効果で吸着してくれます。
そのため、立ち上げてすぐにエビを導入しても問題がないとの触れ込みがありますが、実際に入れてみると非常に調子が悪く、物陰でじっとしている状態になります。2ヶ月〜3ヶ月経過した頃からエビのポツポツ死が始まります。
一般に「ソイルブレイク」と呼ばれる現象と考えられます。
筆者自身はソイルブレイクの明確な定義およびソイルブレイク中に水槽内で起こっていることを捉えられていないので断言できません。しかし、事実として2〜3ヶ月頃のポツポツ死は存在します。
その他には、吸着系ソイルには栄養が少ないため立ち上げ後の硝化サイクルの構築が不十分だと考えられます。そのためエビの餌になる微生物の繁殖も不十分です。そのためエビの調子が上がりにくいと考えられます。
ソイルの問題に対する対策
対策は「栄養系ソイルで立ち上げること」です。
中には吸着系ソイルでもうまく繁殖させておられる方もいるかも知れませんが、ほとんどのブリーダーの方は栄養系ソイルを使用してブリードされています。
※栄養系ソイルで立ち上げたとしても、いつかはソイルの寿命が訪れます。ソイルの寿命とはソイルの栄養分やイオン交換効果がなくなった状態をさします。寿命を過ぎるてもポツポツ死は訪れますので、水槽の様子を日々観察し、早めにリセットをするよう心がけましょう。
ソイルについての詳しい内容は「レッドビーシュリンプ繁殖はソイル次第?ソイルの特徴を徹底解説!」をご確認ください。
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レッドビーシュリンプ繁殖はソイル次第?ソイルの特徴を徹底解説!
エビ水槽立ち上げにおいてソイルの重要性をご存知ですか? 筆者は、初めての立ち上げの際はよくわからずなんとなくソイルを選んだ記憶があります。 しかし、レッドビーシュリンプ飼育繁殖が成功するか否かはソイル ...
ソイルの管理方法については「【重要!】ソイルの寿命管理はレッドビーシュリンプ繁殖の鍵」をご覧ください。
ポツポツ死の原因③ 飼育水の問題
エビ飼育において飼育水は非常に重要です。
飼育水の問題は大きく3つに分類することが出来ます
分類
- 蛇口から出る水道水の水質
- 塩素の除去方法
- 添加剤の種類と量
順番に説明します。
【飼育水の問題と対策1】蛇口から出る水道水の水質
大まかに説明すると、軟水の地域ほどエビ飼育において恵まれた水質で、硬水の地域はエビ飼育が比較的難しい水質です。
※TDSが100PPM未満の地域は軟水、それ以上が硬水。
ポツポツ死が起こりやすい水質
TDSが高い地域はもともとポツポツ死が起こりやすい水質の可能性があります。
※TDSとは水中の導電率より算出した数値です。Ca、K、Mg、Naなどの電解質濃度が高いほど数値は大きくなります。
エビ飼育においてMgやCaは大切な成分です。しかしTDSが高い水道水にはそれ以外の電解質が入っている可能性があります。さらに、何の成分が入っていることによりTDSが高く表示されているかもわかりません。もしかしたら、エビ飼育に悪影響のある成分の可能性も考えられます。
TDSが100を超えるような地域でポツポツ死が起こる場合は元水の水質を疑いましょう。
水道水の水質問題に対する対策
対策をおこなってもポツポツ死が続く場合は、RO水の使用をおすすめいたします。
RO水は水以外の不純物が入っていない水です。このRO水に飼育に必要なミネラルを添加して飼育水を調製します。
他には、イオン交換樹脂を使いRO水に近い水を作る方法もありますが、手間とランニングコストがかかるため、あまりおすすめしません。
【飼育水の問題と対策2】塩素の除去方法
ポツポツ死の原因として、アクアリウム用のカルキ抜き剤(塩素中和剤)で塩素を除去しているケースが考えられます。
カルキ抜き剤がエビに与える影響とは?
薬剤でのカルキ抜きは、塩素自体を除去しているわけでなく、中和しているだけです。そのため、塩素はカルキ抜き剤と化学反応を起こし飼育水の中に別の物質として残っています。
塩素とカルキ抜き剤の反応
カルキ抜き剤の成分「チオ硫酸ナトリウム」が水と塩素と反応し…塩化水素(塩酸)と硫化水素(硫酸)が発生します。
反応式は以下のとおりです。
4Cl2+5H2O+Na2S2O3 → 8HCl+H2SO4 +Na2SO4
[塩素] [水] [チオ硫酸Na] [塩酸] [硫酸] [硫酸Na]
反応後に発生した物質は通常、魚等であれば全く影響ありませんが、水質に敏感なエビにはダメージを与える可能性があります。
塩素除去方法に対する対策
一番の対策としては、アクア用の浄水器を使用することです。
2万円弱で手に入り、飼育・繁殖の成功率が格段に上がります。レッドビーシュリンプを飼育する場合は導入を検討しましょう。
タカカギ(takagi) 全自動洗濯機用分岐栓を使うと洗濯機のから分岐することが出来ます。
筆者の浄水器設置例
◆おすすめの浄水器と分岐栓
【飼育水の問題と対策3】添加剤の種類と量
エビは餌以外にも水中のCaやMgを吸収し甲殻を形成していきます。そのため、浄水器を通した水をそのまま飼育水とすることは出来ません。
注意が必要な添加剤
ミネラル剤の中で唯一注意が必要な添加剤が「バイオカルチャーのSMW」です。
説明文を見るとミネラル剤としての記載があるのですが、この添加剤で硬度4まで持っていくのはかなりの量を添加する必要があります。さらに、この添加剤を入れるとPHが急激に低下します。そのため、エビ飼育において、SMWをミネラル添加を目的として使用すると危険です。
水道水のPHが高いエリアなどにおいて一時的にPHを下げることを目的として1滴単位で添加するなどテクニックが必要となります。
また、上手く活用するとエビの活性を上げることも出来ますので、カルシウムやマグネシウムの補充としてでなく、別のものとして扱いましょう。
添加剤の種類と量の対策
飼育水は、一定濃度のCaやMgとなるように調製する必要があります。CaやMgの濃度は「硬度」という数値で表されます。
硬度が4d°前後となるように添加剤(ミネラル剤)を加えて飼育水を調整しましょう。
このとき、お住いの地域により水道水の硬度が異なりますので、必ず元水の硬度を測ってから飼育水を調整する必要があります。ここを適当にしてしまうとほぼ間違いなく飼育に失敗します。
※飼育水を作るたびに硬度を図るのは大変なので、硬度が4前後の時のTDSも調べておきましょう。初回以降はTDSが事前に調べた値になるまで添加剤を加えるだけでOKです。
水作りに関する詳しい内容は「RO水は必須!?レッドビーシュリンプに最適な飼育水とは?」で解説しています。
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ポツポツ死の原因④立ち上げ期間の問題
ポツポツ死の原因として初心者に一番多いのは水槽が立ち上がっていないケースです。
水槽が立ち上がりの判断方法
この場合のエビの様子は全体的に活性が低く、物陰でじっとしています。
エビの様子以外にも以下のポイントを確認してください。
ポイント
- 水槽セットからの経過期間
- ケンミジンコの数と動き
- 水草の状態
- 水の匂いと透明度
①水槽セットからの期間
使用するソイルの種類や量にもよりますが、最低一ヶ月、長くて三ヶ月ほど立ち上げに期間がかかります。
検査値が問題なくても、水槽内の栄養バランスや微生物の量などにより本当の意味でエビに心地よい環境が作られていない場合も多々ありますので注意が必要です。
立ち上げ方に不安がある方は別記事「コレだけでOK!失敗しないレッドビーシュリンプ水槽の立ち上げ方」をご覧ください。
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②ケンミジンコの数と動き
ケンミジンコは、水槽内にエビの餌になる微生物が十分にいるかどうかの指標となります。
ソイルとガラス面の間あたりをよくよく観察すると、オタマジャクシみたいな見た目の1mmにも満たない生き物がチョロチョロと動いています。
画像
このケンミジンコが視界に入る範囲で10匹ぐらいはいるか?じっとせずに元気に動いているか?を確認しましょう。
ケンミジンコは水槽セット後2〜3週間ほどで目視できるようになります。動きについては水槽の立ち上がり状況にもよりますが栄養が豊富だと活発になります。
③水草の状態
水草が青々と成長しているかどうかを確認しましょう。
成長していなかったり、色がうすい、茶色い場合は水槽環境が整っていない可能性が高いです。
筆者はアマゾンフロッグビットを全水槽に入れています。
アマゾンフロッグビットの根は水中の栄養が多く、十分に水が出来上がっていないと茶色くぼわついてきます。↓
おそらく、この茶色いボワつきは未分解の有機物が付着することにより発生します。
逆に水が出来上がり栄養も適切な場合は半透明のクリアな根になります。↓
他には、ウィローモスの成長や色もアマゾンフロッグビットと同様に水槽環境をチェックする指標となります。
浮き草やモス状態が悪い場合、エビの調子が上がることはありません。たとえエビの調子がよくても徐々に下がってきますので対処が必要です。
ここは非常に重要なポイントです。筆者は水草の悪調子を軽視して何度も失敗しています。
④水の匂いと透明度
水の匂いもかなり重要です。調子の良い水槽は畑の土の匂いと言われています。実際に嗅いでみると確かに土のような香りがします。
調子の悪い水槽の匂いは、ムッとするような…鼻にツンとするような匂い、生臭い匂いがします。
ご自宅に比較対象がない場合は、シュリンプ専門店の匂いを嗅ぐと理解できると思います。(ショップに入った時点ですぐにわかります)
お近くに専門店がある方は是非ニオイを嗅ぎに行ってみてください♪
水槽が立ち上がってない場合の対策
一番の対策は「立ち上がるまで待つ」これに尽きます。
エビを一時避難できる環境の場合は一時避難させましょう。一時避難させる環境がない場合はエビに負担をかけないように立ち上がりを待つ必要があります。
ここでは少しテクニック的な部分をお伝えします。
具体的には以下の3点です。
ポイント
- バクテリアの投入
- 餌やりの一時中止
- 少量・多頻度の換水
①バクテリアの投入
他の水槽から飼育水やソイルを少し投入することで、不足しているバクテリアを補充することが出来ます。
※この場合、水質が極端に異なる水槽や害虫がいる水槽のものは避けましょう。
別の水槽がない場合は、市販のバクテリア剤を投入することで立ち上げまでの期間を多少短縮することが出来ます。
◆おすすめのバクテリア剤
筆者が信頼しているバクテリアは以下のものです。
硝化バクテリアが入っている「スーパーバイコム78」と有機物分解菌が入っている「スーパーバイコム21」を両方とも投入することで、硝化サイクルを早く構築することが出来ます。
一般的にバクテリア剤として売られている商品の殆どは有機物分解菌です。硝化菌が入っている商品はバイコム78ぐらいという認識です。
- スーパーバイコム 78 (硝化菌)
- スーパーバイコム 21 (有機物分解菌)
②餌やりの中止
餌を止めることで水槽内の有機物の蓄積を防ぐことが出来ます。
立ち上がって無い状態で有機物が蓄積すると、アンモニアや亜硝酸の発生により、最終的にエビにダメージが入ります。
エビは1週間程度餌を抜いても餓死しませんので、安心して餌を止めていただいて構いません。
詳しくは別記事「【実体験あり】レッドビーシュリンプが調子を崩さない餌の量と頻度を解説!」をご覧ください。
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【実体験あり】レッドビーシュリンプが調子を崩さない餌の量と頻度を解説!
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③少量・多頻度の換水をする
水槽の立ち上がりを判断は亜硝酸塩の消失で確認する方法が一般的です。
しかし、立ち上げからの期間が短い場合、亜硝酸塩が消えても、実はまだアンモニアが蓄積している状況も存在します。
…というか、多くの飼育者は気づかずにエビを導入しています。
アンモニアは酸性下ではほとんど害のないアンモニウムイオンとなり水中に存在するためエビも☆にならず気づかないのです。
硝化サイクルを作るためには有機物→アンモニア→亜硝酸塩が発生する必要があります。そのため、大量の換水を多頻度で行うと硝化サイクルを作ることができなくなります。
ですので、硝化サイクルを作りつつ、過剰なアンモニウムイオンや亜硝酸塩を排出する必要があります。
筆者の考えとしては水量の1/10以下を毎日〜3日おきに換水しつつ、3週間ほど様子を見ることをおすすめします。
また、少量・多頻度の換水にはもう一つの意味があります。
立ち上げ初期の水槽はソイルから栄養(有機物)が大量に放出されているため、有機物濃度の高い飼育水となっています。この状態ではエビの動きが重く、物陰に隠れがちになります。(ただし、稚エビの成長は異常に早くなります)
換水を繰り返すことで、ある日水草の調子が上がり、遅れてエビの動きが活発になりはじめます。
ポツポツ死の原因と対策まとめ
ポイント
- エビはダメージを受けた直後に⭐︎になるのではなく徐々に弱り数週間後に⭐︎になる
- ポツポツ死の原因はエビ自体、ソイル、飼育水、立ち上げ期間に問題がある
- エビ自体の問題への対策は信頼のあるショップやブリーダーから購入すること
- ソイルの問題への対策は栄養系ソイルを使用し、ソイルの寿命を把握すること
- 飼育水の問題への対策は浄水器を使用し、硬度を調整すること
- 立ち上げ期間への対策は、1ヶ月〜3ヶ月はエビを導入しないこと