レッドビーシュリンプの飼育を開始する際、どれぐらいの大きさの水槽が必要か悩みますよね。
ネットで調べてみても「60cm水槽以上がおすすめ」「30cm水槽でうまく行った」など…
様々な意見が飛び交っています。
筆者自身も大型水槽が良いのか、小型水槽が良いのか悩みました。
当記事では、水槽サイズと飼育可能な匹数の目安をお伝えします。また、その理由も詳しく解説していきます。
当記事のソース
- レッドビーシュリンプ専門店3店舗で伺った内容
- 筆者自身が飼育・繁殖させた経験
レッドビーシュリンプの数に対する水槽サイズの目安
レッドビーシュリンプを単独飼育する人の殆どは、繁殖を楽しみたいケースが多いかと思います。
そこで、以下の表に飼育スタート時におすすめの数と、殖えた場合に維持できる上限数の目安を記載しました。
【早見表】水槽サイズ×飼育数の目安
水槽サイズ | 水量 | 飼育スタート | 上限目安 |
30cm規格水槽 | 13L | 〜6匹 | 〜50匹 |
30cmキューブ水槽 | 27L | 〜10匹 | 〜100匹 |
45cm規格水槽 | 32L | 〜15匹 | 〜150匹 |
60cm規格水槽 | 65L | 〜30匹 | 〜200匹 |
45cmキューブ水槽 | 91L | 〜35匹 | 〜300匹 |
60cmワイド水槽 | 121L | 〜40匹 | 〜400匹 |
90cm規格水槽 | 182L | 〜50匹 | 〜500匹 |
あくまでも上記は目安です。増やすだけなら餌の量や換水頻度などを調製し、更に多くのエビを維持することが出来ます。
また、エビを3センチ以上の最大サイズまで持っていきたい場合は目安よりも少なめでの飼育が好ましいと考えています。
飼育スタートに適したレッドビーシュリンプの数について
上記表を見て、意外と「飼育スタート時のエビの数が少ない」と思われたのではないでしょうか?
エビの成長や繁殖を考えたときに水槽サイズに対してある程度ゆとりがある方が有利なため上記のような数になります。
はじめのうちは水槽内が寂しいので、ついついエビを買い足したくなります。
しかし、ここは我慢です。
うまく繁殖できる環境が整えば10匹から100匹程度には直ぐに殖えます。
維持できるレッドビーシュリンプの上限数について
水槽サイズに対してあまりにもエビが殖えすぎると繁殖が停止します。
さらには、知らぬ間にエビの数が減っていきます。
「あれだけ沢山いたエビが、今では数匹…」みたいなことも簡単に起きてしまいます。
そのため、一定以上殖えた場合は、稚エビだけを別水槽に移したり、色や柄で選別する必要があります。
レッドビーの密度が高い場合どのようなことが起こるのか?
エビの数に対して水槽サイズが小さい場合(エビの密度が高い場合)どのようなことが起こるのかを解説していきます。
密度が高い場合の特徴
- エビの活性が高まる
- エビが増えにくい
- エビが大きくなりにくい
エビの活性が高まる(メリット)
水槽サイズに対してエビの数が多い場合、エビの動きが活発になります(エビの活性が上がります)。
特に餌を入れた直後が顕著で、我先にと餌に向かって集まってきます。
30㎝キューブ水槽でレッドビーシュリンプを5匹飼育しているときはゆっくりと餌に集まってきます。
レッドビーシュリンプを20匹に増やすと明らかに活性が上がります。
正確な理由はわかりませんが、餌の量に対してエビの数が多いため生存競争が起こっているのではないかと推察されます。
また、1〜2ペアのエビから繁殖を行う場合は、大きすぎる水槽だとエビの動きが緩やかで抱卵しにくい印象があります。
この場合は30㎝キューブ水槽又は30㎝水槽で繁殖にチャレンジしてみましょう。
エビが殖えにくい(デメリット)
レッドビーシュリンプが一定以上増えて密度が高まると、徐々に抱卵しなくなります。
水槽内に稚エビがいる場合は稚エビの生存率が低下していきます。
これはエビの数に対して水槽内の餌となる微生物が少ないためです。
餌不足による全滅を防ぐために本能的に繁殖を止めているのでしょう。
この餌不足を補うために人工の餌を与えます。しかし、人工の餌は与えた分だけ水を汚します。そのため、換水頻度や量も高める必要があります。
稚エビが1センチ程に成長したあたりで、別の水槽に移すとエビが増えやすい印象があります。
エビが大きくなりにくい(デメリット)
レッドビーシュリンプの密度が高いと、エビが大きく成長しにくくなります。
水槽内に湧いた微生物(餌)の奪い合いが起こり、エビたちに十分な栄養がいきわたっていないためと推察されます。
「大きいエビに育てる」レッドビーシュリンプ飼育の醍醐味の一つです。
過密飼育をしてしまうと小さいエビのまま大人になってしまいますので、注意が必要です。
メモ
1cm未満の稚エビの場合は30cmキューブ水槽でも100匹以上維持出来ます。
それ以上のサイズになった場合は別の水槽に移す対応が必要となります。
繁殖を目指すなら、この段階で一度、体格や柄・発色などで次世代の親エビ候補を選別し、別水槽に移しましょう。
レッドビーの密度が低い場合どのようなことが起こるのか?
レッドビーシュリンプの飼育において、大型水槽のメリットに注目されがちです。
しかし、少ない数から飼育をスタートする際はデメリットも存在します。
エビの密度が低い場合どのようなことが起こるのか解説していきます。
密度が低い場合の特徴
- エビの活性が下がる
- エビが殖えやすい
- エビが大きくなりやすい
エビの活性が下がる(デメリット)
密度が低いとエビの動きがゆったりとしてきます。(活性が下がります)
活性が下がると餌の食べ残しが発生しやすくなるため、給餌のコントロールや残餌の処理が必要になります。
具体的には、少量の食べ切れる餌を与え、残った餌をピンセットで取り除きます。
これらの処理をマメにおこなっていないと、水質が悪化してエビが弱ってしまうことがあります。
対処方法
エビの残餌を食べてもらうためにラムズホーンを導入する手もあります。
エビ以上に殖えやすい点、見た目が貝である点が問題なければ導入を検討しても良いと想います。
筆者もワンペアでエビを飼育する際はラムズを数匹入れて餌の処理をさせています。
エビが殖えやすい(メリット)
密度が低いと、水槽内の微生物(餌)に対してエビの数が少ないので、エビたちに栄養が生き渡ります。
その結果健康に成長し、抱卵⇒稚エビ誕生に繋がりやすくなります。
また、微生物(餌)が豊富だと稚エビの生存率も高まります。
ただし、先程も述べましたが、密度が低すぎるとエビの活性が下がりますので、ほどほどのバランスを見つけましょう。
エビが大きくなりやすい(メリット)
エビが殖えやすい理由と同じです。
水槽内の微生物(餌)に対してエビの数が少ないので、エビたちに栄養が生き渡ります。
結果的にサイズの大きなエビに成長する可能性が上がります。
メモ
専門店で聞いた話ですが、サイズの大きなエビに育てるためには目安の半分ほどまで密度を下げて飼育するのがコツだそうです。
エビをしっかりと観察できて、給餌管理がある程度身についた後にチャレンジしてみましょう。
レッドビーシュリンプ初心者におすすめの水槽サイズは?
手軽に始められて、本格的な繁殖も楽しみたい初心者に向けたおすすめ水槽サイズを紹介いたします。
おすすめ① 30cmキューブ水槽
30cmキューブ水槽には以下のメリットがあります。
理由
- 小型でスペースを取らない
- リセット作業が簡単
- 10匹でスタートする場合、適度な密度で給餌管理が容易
- 1つの水槽で100匹程度までは維持できる
レッドビーシュリンプ飼育がうまくいくとエビを複数水槽で管理したくなります。
また、いろんな柄のエビを飼育してみたくなります。
そのため、水槽1台では満足できなくなり、2台、3台と増えていきます。
30cmキューブなら複数設置してもそれほどスペースはとりません。
多種類飼育や累代管理を考えている場合は30cmキューブ水槽がスペースと飼育可能数のバランスがよいのでおすすめです。
おすすめ② 60cm規格水槽
本格的にブリードをしたい方におすすめです。
理由
- 水量が多く水質が安定するので管理しやすい
- 1つの水槽で200匹程度までは維持できる
おすすめ③ 45cmワイド水槽
幅45センチ×奥行き30センチ×高さ30センチの水槽です。
縦置きすると30センチキューブ水槽と同じ幅で並べることが出来ます。水量としては30センチキューブの1.5倍の水量は非常に魅力的です。
省スペースで本格的にブリードしたい方は選別水槽として45センチ水槽を。育成水槽として60センチ水槽を組み合わせると繁殖管理しやすいです。
まとめ
水槽サイズに対する飼育可能数は以下を目安としましょう。
【早見表】水槽サイズ×飼育数の目安
水槽サイズ | 水量 | 飼育スタート | 上限目安 |
30cm規格水槽 | 13L | 〜6匹 | 〜50匹 |
30cmキューブ水槽 | 27L | 〜10匹 | 〜100匹 |
45cm規格水槽 | 32L | 〜15匹 | 〜100匹 |
60cm規格水槽 | 65L | 〜30匹 | 〜200匹 |
45cmキューブ水槽 | 91L | 〜35匹 | 〜300匹 |
60cmワイド水槽 | 121L | 〜40匹 | 〜400匹 |
90cm規格水槽 | 182L | 〜50匹 | 〜500匹 |
ポイント
◆水槽サイズに対してエビの数が多い場合
- エビの活性が高まる
- エビが殖えにくい
- エビが大きくなりにくい
◆水槽サイズに対してエビの数が少ない場合
- エビの活性が下がる
- エビが殖えやすい
- エビが大きくなりやすい
◆おすすめの水槽サイズ
- 初心者は30センチキューブがおすすめ!
- 省スペースでブリードを楽しみたい場合は45センチ水槽と60センチ水槽の組み合わせで!