紅白がキレイなレットビーシュリンプ。
熱帯魚水槽を管理されている方なら混泳させてみたいなと思われた方も多いのではないでしょうか?
今回はこの混泳について体験談を踏まえておすすめ出来ない理由を解説いたします。
魚とレッドビーシュリンプの混泳の是非は飼育の目的によって異なる
混泳の目的が魚とレッドビーの同時鑑賞なら、否定はしません。
しかし「レッドビーシュリンプがツマツマする可愛い姿を見たい」「繁殖させて稚エビを見たい」場合はおすすめ出来ません。
なぜなら食物連鎖の中で、魚にとってエビは餌でしかないからです。
特にサイズの小さいレッドビーシュリンプは魚たちの格好の的です。
上の写真は、筆者が熱帯魚ショップでレッドビーシュリンプを購入しカージナルテトラが5匹いる水槽に混泳させたときのものです。
初めてのレッドビーシュリンプ飼育は、混泳以外にも色々と問題がありました。
日に日に弱っていくレッドビーシュリンプを見ているのが非常に辛かった記憶が残っています。
理由①レッドビーシュリンプが隠れがちになる
小型のカラシンやメダカなどでも、小さいレッドビーシュリンプの場合は簡単に捕食されてしまいます。
たとえ口に入らなくても、レッドビーシュリンプが表に出ていると口先でつついていじめ始めます。
そこで隠れ場所を用意してレッドビーシュリンプが安心できる場所を提供すると、用意した隠れ場所に引きこもりじっと息をひそめるようになります。
もちろん広い水槽で少ない匹数で魚とレッドビーシュリンプを混泳させていて問題ないケースもあります。
しかし、一般的には混泳でレッドビーシュリンプが萎縮してしまいストレスを抱えることになります。
理由②レッドビーシュリンプが繁殖しなくなる
魚と混泳させるとレッドビーシュリンプは隠れがちになり、抱卵しにくくなります。
レッドビーシュリンプなどのエビ類は「抱卵の舞」という繁殖行動を取ります。
抱卵の舞とは?
抱卵できる状態のメスが脱皮した際に出すフェロモンにオスたちが反応します。
オスたちは脱皮したメスめがけて一心不乱におよぎ始めます。
抱卵の舞はエビたちが無防備になるため、魚水槽では基本的に、抱卵の舞を見ることはできません。
また、万一抱卵の舞が起こり、稚エビが生まれたとしてもすぐに魚たちの餌になるため、繁殖はほぼ不可能と思われます。
ポイント
レッドビーシュリンプを繁殖させたい場合は、エビの為だけにエビ単独の水槽を用意しましょう!
理由③魚とレッドビーシュリンプでは求められる水質が異なる
最後に、レッドビーシュリンプは水質に非常に敏感な生き物です。
どのぐらい水質に気をつけないとならないかというと…
ポイント
- 軟水の使用が望ましい
- 適量のミネラル(カルシウム・マグネシウム)添加が必要
- カルキ抜き剤を使用せず、アクア用浄水器が望ましい
- レッドビーの給餌は数日おきに食べ切れる量を少量のみ
- 大量の餌による有機物の蓄積はNG
- 魚水槽と同様の換水量・換水頻度はレッドビーに負担がかかりすぎる
- エビの餌になる微生物の繁殖が必要
- 水草水槽で使われるカリウムの添加もNG
魚との混泳環境で上記への配慮がすべて可能か?というとなかなか難しいのではないでしょうか。
とくに、レッドビーシュリンプの場合、餌の与えすぎによりすぐに調子を崩してしまいます。
魚に与える餌とレッドビーシュリンプに与える餌のバランスをどのように調整するのかが混泳する上で鍵となります。
レッドビーシュリンプと混泳可能は生き物とは?
ここでは、混泳してもレッドビーシュリンプの繁殖まで可能な生き物を紹介していきます。
また、混泳出来そうで出来ない生き物も少しだけ紹介します。
レッドビーシュリンプと混泳可能な生き物
散々レッドビーシュリンプと魚の混泳を否定してきましたが、唯一オトシンクルスだけは混泳可能です。
また、貝類も混泳させることが出来ます。
順番に解説していきます。
おすすめ①オトシンクルス(ネグロも可)
オトシンクルスはガラス面や水草についた苔を食べて生活する完全に草食の魚です。
レッドビーシュリンプ水槽は緑ゴケが生えていることが多いため、食事の面でも相性がとても良いです。
レッドビーシュリンプに与えた餌も食べるので、特にオトシンクルスのために何か餌を与える必要もありません。
また性格も非常におとなしいため、レッドビーシュリンプがいても見向きもしません。
レッドビーシュリンプを襲わず、餌で水を汚すリスクもない!この子たちならレッドビーシュリンプと混泳させても安心です。
おすすめ②ラムズホーン
混泳可能な理由はオトシンクルスと同じです。
苔やレッドビーシュリンプの餌を食べます。
レッドビーシュリンプを襲ったりもしません。
更に、レッドビーシュリンプの食べ残した餌も残さず食べてくれるので、残餌の処理が必要なくなります。
注意点
レッドビーシュリンプ以上に増えてしまうことです。
レッドビーシュリンプを飼育しているのかラムズを飼育しているのかわからなくなります。
また、稚エビが生まれたあとはラムズを間引く必要が出てきます。
理由はガラス面の苔を全部食べつくしてしまうからです。
ガラス面の苔は稚エビの餌となる微生物を増やすために大切な役割をしています。
これがなくなってしまうと稚エビの歩留まりが悪化してしまう場合があります。
個人的にはレッドビーシュリンプの単独飼育を推奨します。
もしも混泳させたいなら筆者の場合はラムズを選びます。
混泳できそうでおすすめしない生き物
おすすめしない①プレコ
主に水槽内の苔を餌にしているためレッドビーシュリンプを捕食する心配はありません。
しかし、非常にパワフルでレイアウトやレッドビーに体当たりすることがあります。
レッドビーにストレスを与えかねません。
また、レッドビーシュリンプの餌だけでは全く足りないので、プレコ用の餌を与える必要があります。
大量の餌は水を汚してしまいます。その他の熱帯魚と同じ理由で水質管理の難易度が上がってしまいます。
おすすめしない②コリドラス
プレコ同様にコリドラス用に餌を与えなければどんどん痩せていってしまいます。
そのため、水が汚れやすくなり水質管理の難易度が上がってしまいます。
結局、餌の与えすぎが厳禁のレッドビーシュリンプ水槽で、魚に餌を与えなければならないのが混泳上の課題です。
まとめ
今回の記事を以下にまとめました。
ポイント
- 魚とレッドビーの同時鑑賞を目的と割り切るなら混泳可能(ただしエビは短命に)
- 小さな魚でもレッドビーをつついていじめることもある
- 混泳するとレッドビーの繁殖は期待できない
- 混泳が唯一可能な魚はオトシンクルス(ネグロも可)
- 貝類は混泳可能(おすすめはラムズホーン)
- 筆者は単独飼育を推奨