レッドビーシュリンプを飼い始めてしばらくすると…
- エビがツマツマしなくなる…
- 物陰に隠れて元気がなくなる…
こんな経験されたことありませんか??
もしかすると餌のやり方に問題があるかも知れません。
餌は少ない分にはそれほど問題ないですが、与え過ぎるとエビの調子が悪くなる場合があります。
このような悲しい事態を避けるために正しい餌やりの知識を身につけて飼育や繁殖にチャレンジしましょう!
レッドビーシュリンプに適した餌の頻度と量とは?
皆さんの水槽ひとつひとつで、エビの数やサイズ、水槽の大きさ、立ち上げからの期間、湧いている微生物の種類や量など、環境が異なるため、すべての環境に対応する量と頻度をお伝えすることは出来ません。
とはいえ、目安となる量と頻度ぐらいは知りたいですよね。
ここでは初心者の方を対象に具体的な目安を解説していきます。
初心者におすすめの餌の頻度と量
2〜3日に1回で5mm四方のサイズぐらいが目安となります。
固形の餌でも、粉餌でも、顆粒の餌でも上記の量を目安としていただければまず間違いありません。
初心者の方だと餓死しないか心配になるかもしれませんが、全く問題ありません。
基本的にエビは、人間が与える餌だけでなく、ソイルや水中に湧いた目に見えない微生物をしっかりと食べているからです。
環境の一例
30センチキューブ水槽に1cm〜1.5cmのエビが10匹〜20匹程度
※初めてレッドビーシュリンプを購入される方に多い水槽サイズとエビの数かと思われます。
エビが1.5センチ以上に成長した場合の餌の頻度と量
毎日〜2日に1回で5mm四方のサイズが目安です。
この場合、エビの活性をしっかりと観察することが重要です。
要チェック!
- エビが元気よくツマツマ動き回っているか?
- 餌を入れたらすぐに集まってくるか?
このあたりをチェックして問題なければ、頻度を徐々に増やしてみてください。
量については食べ終わるまでの時間を観察し、30分以内になくなるようでしたら、少しずつ増やしても構いません。
餌の量や頻度を増やすとエビの成長速度は早まります。
ただし、過剰な餌は水槽内のバランスを乱し、エビの調子が崩れるリスクと隣り合わせであることを常に頭の片隅に入れておきましょう。
逆に、餌の量が少ないと成長速度は遅くなりますが、調子を崩すリスクは減ります。
このあたりのバランスは飼育者の考え方次第かと思います。
稚エビが生まれた場合の餌の頻度と量
エビを飼育しているとメスが抱卵し⇒約4週間ほどで稚エビが誕生します。
基本的に稚エビは飼育者が与える餌ではなく、水槽内に湧いている微生物を食べて成長していきます。
ですので、稚エビが生まれたからと言って過剰に餌を増やす必要はありません。
稚エビが誕生した場合はトータルの量は変えずに、餌のローテーションの中に粉餌を組み込みましょう。
おすすめの粉餌としては「倍速double speed」や「アルティメットバクター」という粉餌がおすすめです。
ローテーション例)固形餌⇒粉餌⇒休み
飼育していると、いつの間にか稚エビが消えていくことがあります。
(私も過去に何度も経験しました。)
主な原因としては、稚エビの餌となる微生物が水槽内に足りておらず餓死してしまうためです。。
この話を聞いて「じゃあ、餌を沢山与えたほうがいいのでは?」と思われるかもしれません。
ですが、餌の与えすぎは厳禁です!!
先述したとおり、水槽内のバランスが崩れ、稚エビだけでなく大人のエビもお星さまになる可能性があります。
稚エビが消えないように飼育するためには、いかに水槽内で稚エビの餌となる微生物の量を増やして、それを維持するか?ということが大切なのです。
餌が残っている場合の対応
給餌後1時間以上たっても餌が水槽内に残っており、エビが集まっていなければ、ピンセットなどで取り除きましょう。
放置していると、残餌が腐敗し水槽環境を悪化させることがあります。
ただし、そこまで神経質になる必要はありません。
餌がふやけてしまい、うまく取れない場合は、取れる分だけでOKですので、回収しましょう。
レッドビーシュリンプが調子を崩した場合の餌のコントロール
エビが調子を崩したら(ツマツマしなくなったら)どうするか?
理由は色々ありますが…
理由
- 餌の与えすぎ
- 水温が高すぎ
- 立ち上げ期間が短すぎ など
初心者の場合、第一に考えられることは餌の与えすぎです。
では、この場合の対処について解説していきます。
エビが調子を崩した場合の給餌対策
3〜7日間ほど餌を与えずに、エビの様子を普段よりも念入りに観察してください。
3日間餌を切ってみて、半数以上のエビが物陰に隠れていたり、ツマツマが弱かったりしたら、7日間餌切りを続けましょう。
1週間餌切りしても調子が戻らない場合の対応
調子を崩した原因が餌だけでは無い可能性も考慮して対応を進めていきます。
給餌における対応
餌に関しては、一度水槽内に固形の餌を少量入れてエビの集まり方を観察します。
餌に群がってツマツマしなければ、餌を取り除き、またしばらく餌切りを継続する必要があります。
給餌以外の対応
餌以外には、換水やバクテリアの定着状況、微生物の湧き具合などを確認して、一つづつ対処していく必要があります。
レッドビーシュリンプの餌に対する考え方
まず初めに皆様に認識して頂きたい大切なことがあります。
エビは飼育者が与える餌だけで生きているわけではないということです。
元気なエビは水槽内で常にツマツマしています。
ツマツマとは水槽内に発生している目に見えないほど小さな餌を足で口に運ぶ動作なのです。
つまり、水槽内にはエビの餌となる微生物が繁殖しており、エビはそれらを常に食べています。
ですので、多少餌を与えなくても全く問題ありません。
むしろ、飼育者が与える餌よりも水槽内に餌となる微生物が湧く環境を整える方がよっぽど重要なのです。
なせ餌の与えすぎでエビが調子を崩すのか?
水槽内に入れた餌(有機物)は、エビに食べられ、糞として排出されます。
そして、その糞をミジンコや水ミミズ、ワムシなどの微生物が食べ分解します。
さらに、バクテリアが窒素や水、二酸化炭素まで分解します。
水草がこれらを栄養素として取り込み生長します。
このように水槽内では有機物を分解するサイクルが回っています。
餌を与えすぎるとどうなるのかというと、この分解サイクルが追いつかずに水槽内に有機物が蓄積していくことになります。
そして有機物が増えるとエビの調子が徐々に悪化します。
なぜ有機物がエビに悪影響を与えるのか?
この疑問に答えるためには、自然界の現象をイメージするとわかりやすいかもしれません。
海であれば赤潮、湖であればアオコなどの富栄養化現象が挙げられます。
これらの現象は家庭用排水などの有機物を多く含んだ水により、過剰な栄養状態になり、植物プランクトンが大量発生します。
続いて植物プランクトンを餌とする動物プランクトンが増殖します。
これらプランクトンは水中の酸素を大量に消費するため、水中の酸素が減り、結果として魚など生物が酸欠になり、生きられなくなります。
つまり、有機物濃度の上昇はエビの酸欠にリスクを高めます。
また、有機物濃度の上昇は雑菌の増殖も促進し、エビの感染リスクを高める危険性もあります。
与えすぎは良いこと無しですね。
レッドビーシュリンプ飼育におすすめの餌と注意点について
ここでは私自身がレッドビーの飼育管理に使っているおすすめの餌を紹介していきます。
色々な餌を試した結果、エビの食いつき、水に入れた時の崩れ方、エビの調子などを踏まえて、実際に今も使い続けている厳選フードです。
これらはどれか一つの餌ではなく、日々の餌やりでローテーションを組んでいます。
餌の基礎知識
主な餌の形状、栄養については以下のとおりです。
- 形状:固形、顆粒、粉
- 栄養:植物性、動物性、微生物系
固形餌は動物系と植物系の2種類がラインナップされている商品が多いです。
粉餌は微生物系の餌が主流です。
与え方としては植物系の餌をメインで与え、週に1回程度動物系の餌を与えるイメージとなります。
なお、初心者の方は、たくさんそろえても消費期限内に使い切れない可能性が高いので、植物系の固形餌を1種類用意するだけで構いません。
植物系の餌だけでもきちんと育ちます。
飼育に慣れて繁殖を目指す段階で、動物性の餌や微生物系の餌を試しながら組み込むことで成長や繁殖を促進させたり、エビの調子を維持したりするのが一般的です。
おすすめの固形餌
さと美えびさんのフード
サラサタイガーという品種のエビで有名な、えびブリーダーのさと美えびさんが作成した餌です。
高額なエビを本格的に飼育繁殖している飼育者の方々に定評があります。
ペレット状に固められた固形の餌で、植物性と動物性の2種類が販売されています。
◆メリット
- さっと崩れるので固形餌にもかかわらず、稚エビまで餌が行き渡る
- 餌の持ち逃げがなく、食いつきが良いので、見ていて楽しい(ココ重要)
◆デメリット
- さっと崩れるので、残った餌を回収しにくい(食べきれなかった餌はソイルの底にたまる)
少なめに餌を与え、食べ切れる量を見極めることが大切です。
エビがたくさんいたり、稚エビがいる水槽では非常に重宝する餌です。
CrimsonさんのQフード
日本が誇るレッドビーシュリンプ販売店クリムゾンさんの作成したフードです。
板チョコ状に固められた餌で、植物性と動物性の2種類があります。
◆メリット
- 切れ目があるため飼育数に応じて餌の量を調整しやすい
- 崩れにくいので、餌が残った場合に回収しやすい
◆デメリット
- 特になし
餌の量の調整や残餌の処理などの視点から、初心者が初めて餌を買う際はこちらの植物性がおすすめです。
おすすめの粉餌、顆粒餌
アルティメットバクター
アクアプランツファームわさびさんから販売されている稚エビ用の粉餌です。
休眠植物性バクテリアやポリフェノールが主な原料です。
そのため水を汚しにくく、水槽を立ち上げた初期段階から継続的に餌のローテーションに組み込めます。
◆メリット
- 水を汚しにくい成分
- 立ち上げ剤としてもエビの餌としても使用できる
- 稚エビの餌になる微生物を繁殖させる効果がある
◆デメリット
- なし
活用の範囲が非常に高い粉餌です。
立ち上げ時の微生物繁殖のための活用、餌のローテーションに、エビが本調子じゃないときの餌に…
と様々な利用シーンがあります。
本気でエビを飼育繁殖したいと思っている方にはぜひ持っていていただきたい製品です。
ローキーズさんの倍速
全国に店舗を構えるエビ専門店ローキーズさんから販売されている稚エビ用粉餌です。
◆メリット
- 入れた瞬間、エビがわさわさと動き始めて見ていて楽しい
- 稚エビの成長が早い(気がする)
- 固形餌に比べてエビが調子を崩しにくい(適量の場合)
◆デメリット
- 水槽に入れるとすぐ散らばるので餌を与えた感が少ない(与えすぎ注意!)
きちんと給餌量をコントロールできればこれといったデメリットはありません。
稚エビが誕生した際に活用できる非常に優秀な粉餌です。
まとめ
今回解説した内容をまとめます。
ポイント
- 初心者は2〜3日に1回、5mm四方の固形餌を目安に与える
- 餌が1時間残っている場合は取り除く
- エビが調子を崩したら1週間ほど餌を与えず様子を見る
- エビは飼育者の餌だけでなく水槽内の微生物を食べているため基本的に餓死しない
- 初心者は植物性の固形餌1種類で十分
レッドビーシュリンプの飼育を始めるとツマツマと餌に集まる姿を見たくて、ついつい餌を与えすぎてしまいます。
立ち上げ初期はぐっとこらえて餌を少なめに与えて管理しましょう。
エビが増えて来て動きが活発になったあとはある程度餌をあげても調子が崩れなくなりますので、それまで我慢です。