レッドビーシュリンプ水槽の立ち上げは1ヶ月〜3ヶ月ほど生体を入れずに水回しをする必要があります。
これは、水槽内に硝化バクテリアを定着させるために必要な期間です。
そこで気になるのが、照明を付ける?付けない?という素朴な疑問。
- 硝化バクテリアを増やすだけなら照明は必要ないのでは?
- 無駄に苔が生えて水槽環境が悪化しないの?
このように考える方もいるのではないでしょうか。
私もレッドビーシュリンプを初めて単独飼育するときは疑問に感じました^^;
今回はこの「立ち上げ時の照明」について詳しく記載してみました。
レッドビーシュリンプ水槽立ち上げに照明は必要か?
結論から言うと、「立ち上げ時に照明は必要」です。
理由なんていい、早く照明をつけようと思った方は立ち上げ作業に戻ってください(笑)
理由が知りたいなと思った方は次で詳しく解説していますので読み進んでください。
レッドビーシュリンプ水槽立ち上げに照明が必要な理由
冒頭でも記載した通り、アクアリウムにおいて、水回しは「硝化バクテリア」を定着させるために必要な期間です。
これは間違いありません。
ですが、エビが住みやすい環境を水槽内に作るためにはこれだけでは不十分なんです。
では何が必要か?
次の3つの環境が構築された水槽環境が必要なんです。
ポイント
- 有機物を分解するバクテリア繁殖
- 食物連鎖環境の構築
- 腐食連鎖環境の構築
照明との関係性を含めてそれぞれ具体的に解説していきます。
理由1 有機物を分解するバクテリア繁殖
水をきれいな状態で維持するためには、硝化バクテリア以外にも有機物を分解するバクテリアが必要です。
これらバクテリアのうち、有機物を栄養素として取り込むために光を必要とするバクテリアもいます。
そのため、バランスの良いバクテリア環境の構築のためには照明が必要なのです。
少し詳しく説明します。
水が汚い、汚れている状態とはどのような状態か?答えは「水中に有機物が多い状態」を指します。
よく水槽内に有害なアンモニアが発生するので、無害化する硝化バクテリアが必要と言われます。
いきなり魚からまたはソイルからアンモニア「NH3」が発生する…なんてことはありません。
ソイルや糞、尿に含まれる「有機物」が有機物分解バクテリアや光合成細菌、原生生物などによって徐々に分解されアンモニア(NH3)となるのです。
つまり浄化の流れとしては以下のとおりです。
ポイント
この流れがしっかり出来ていないと、水が汚い状態…つまり、エビが住みにくい状態になってしまいます。
そのため、硝化バクテリアだけでなく、有機物を分解していく様々な種類のバクテリアを育てる必要があるということです。
理由2 食物連鎖環境の構築
照明を行うことでガラス面などに苔が発生します。この苔を出発点とした食物連鎖がエビ飼育において非常に重要な役割を果たします。
具体的に解説していきます。
エビたちは私達が与えた餌だけを食べているわけではありません。
エビの動きを観察すると常にハサミをツマツマと動かして何かを食べているように見えます。
おそらくエビは水槽内で作られた食物連鎖の頂点として目に見えない何かを食べているんです。
食物連鎖の簡単な流れは以下のとおりです。
- 照明をつけることにより、水槽内のコケ(珪藻類、緑藻類)が増える
- 苔を餌とする微生物(ワムシ等)が増える
- 苔を餌とする微生物(ケンミジンコ等)が増える
これらのうち、苔やワムシ等の微生物はエビの栄養源となります。
立ち上げ期間中にしっかりとエビの餌となる微生物を増やして置くことが、エビが繁殖する上で重要ということです。
理由3 腐食連鎖環境の構築
エビは食物連鎖の一部であると同時に、腐食連鎖の一部でもあります。
腐食連鎖とは?
腐食連鎖とは生物の死骸や糞を、エビや貝類→微生物→バクテリアの順に栄養源として利用することで、徐々に分解されていく流れを指します。
最終の分解物は植物の栄養源となり再利用されます。
うまく環境構築が出来た水槽は食物連鎖と腐食連鎖は常にセットでぐるぐると回り続けるイメージになります。
つまり、腐食連鎖→食物連鎖→腐食連鎖→繰り返しのサイクルを水槽内に構築するためには照明が必要ということです。
照明が無いと食物連鎖がうまく流れず、結果としてこのサイクルが構築できなくなってしまいます(汗)
レッドビーシュリンプ水槽立ち上げ時の照明管理
続いて、立ち上げ期間の照明管理をどのように行うか?について説明していきます。
非常にシンプルです。
エビを飼育するときと同じように照明を点灯させるだけでOKです。
エビが住みよい環境を作るための立ち上げ期間ですので、このときだけ照明を強くしたり、時間を長くしたりする必要は全くありません。
立ち上げ時の照明時間は何時間!?
目安としては1日8時間〜11時間の間で点灯させれば問題ありません。
水草水槽とは真逆の考え方で、苔はエビ飼育の重要な要素ですので、たくさん出てきたら良かった〜と思ってくださいね。
逆に苔がなかなか出なくて心配になることもあるかもしれませんが、それほど気にする必要はありません。
このあたりは水槽内の有機物の量、水草の有無、微生物の量等によっても変わってきます。
(苔は目安ですが、苔が多いから良い、少ないから悪いという単純なものではありませんので…^^;)
苔が出すぎた場合の対処
栄養系ソイルなどを使用していると、1ヶ月を過ぎた頃から異常なほど苔が出てくることがあります。
この場合も特に気にする必要はありません。
アオミドロのような糸状のコケが大量発生する場合もあります。
気になるようでしたら、照明の強さを弱める。一時的に遮光する。照明時間を短くするなどの対処を行っても差し支えありません。
レッドビーシュリンプ飼育にオススメの照明
水草水槽のように陽性水草を高光量でガンガン育成するような水槽はエビ水槽には向いていません。
陰性水草が問題無く育つ程度の光量があれば十分です。
逆に光量が強すぎるとエビが出てこなくなるので、強すぎる照明は避けた方が無難です。
オススメの照明① アクロトライアングルGROWシリーズ
言わずとしれたチャームさんのプライベートブランド「アクロ」の水草育成用照明です。
30センチ水槽用
- 光量:1000lm
- 価格:5000円未満
水草の生長も良くエビも隠れないちょうどよい照明でお気に入りです。
これぐらいの光量があるとエビの色揚げ効果も期待できます。
光量に対して価格が非常に安いのもポイントです。
現在、私は60センチ用3台、30センチ用4台を利用しています(*^^*)
オススメの照明② コトブキ フラットLED SSシリーズ
こちらは特にコスパに優れた照明です。エビ飼育であれば全然この程度の光量で問題ありません。
30センチ水槽用(SS3042)
- 光量:380lm
- 価格:3200円
外装がプラスチッキーでややチープですが、値段を考えれば満足出来ます。
コスト重視で立ち上げたい水槽用かなと考えてます。
エビちゃんの発色を重視して飼育するならトライアングルGLOWの方を選択してください。
ちなみにコトブキの照明は現在、2台使用しています。
レッドビーシュリンプ水槽立ち上げと照明の関係(まとめ)
エビ水槽立ち上げには照明は必要というお話をしてきました。
理由は以下のとおりです。
ポイント
- 有機物を分解するバクテリア繁殖
- 食物連鎖環境の構築
- 腐食連鎖環境の構築
数日照明がない状態で水回しするのは問題ありませんが、1ヶ月まるまる照明なしだと、十分に水槽内の環境ができあがりません。
必ず照明はつけて立ち上げを行いましょう!